引越しが完了したら、新生活への準備が全て整ったと思うのは大きな間違い。!生活環境の安定化を図ること。

住宅購入から新居への引越しは、人生最大のイベントのひとつでもあり、とても大変なことでもありますよね。 ですから、「引越し完了」と同時に新生活準備が整った(終わった)と思ってしまうのも仕方が無いことなのかも しれません。でも・・新生活の準備としては、道半ばなんですよね。引越し後から一年間は、新生活を良きものと するための重要な準備期間となるものです。

まず、最も大切な要素となるのが「居住環境(生活環境)を良き状態で安定化させる」ということ。新しく出来上がった ばかりの住宅というのは、いろいろな意味で不安定さを抱えているのです。居室を構成する”建材(壁下地、壁クロス、フローリングなど)” は、まだ本当の意味で定着・安定していないもの。適切な時間の中で、安定的な状態へと誘っていくことがその後の 不具合発生率を低くしていくことに繋がるのです。

逆に言えば、引越し後一年間の対処が悪いと、様々な箇所で不具合が生じてくることになるもの。居室内環境を 安定化させることが出来たときに、初めて新生活準備が完了となるのです。

居室内の温度・湿度環境を馴染ませる。温度格差・湿度格差の少ない居室環境に。

居室環境の安定化を考えると上で、まず最初に心がけておきたい要素となるのが「温度環境・湿度環境」 という要素です。完成したばかりの住宅では、全ての建材を対象として温度・湿度が不安定な状態と なっています。特に建材の水分保有量(湿度)が不安定な状態となっていることが多く、一年間くらいの 時間をかけて安定的な水分保有量へと変化していくことになります。ここでは「温度・湿度」に関連した 注意点、心がけておきたい要素についてご紹介したいと思います。

短期間での急激な温度変化・湿度変化は避けること。各種建材の不具合発生に繋がります。

まず居室空間に共通的な要素を取り上げておきたいと思います。それが「短期間での急激な温度変化・湿度変化は避けることが大切」 ということです。 引越し時期(夏or冬)によって具体的な要素は異なりますが、いずれにしても引越してから2.3ヶ月間程度 は、限定的な居室内での「過度な暖房・冷房利用」「加湿器の利用」などは、控えるようにしておくことが ポイントとなります。

クロスの剥がれ 居室を構成している各種建材(壁下地、クロス、フローリング、扉など)は、特に湿度状態(水分保有量)が まだ不安定な状況となっています。そんな状況下で、急激に暖房・冷房・加湿器などの使用をしてしまうと、 建材の水分状態が短時間で大きく変動することになってしまうんですね。そうなると、建材の変形が生じることに。

新築住宅にも関わらず早々に「クロスの剥がれ」「フローリングの軋み」「ふすま扉の反り」などが発生する ことに繋がってしまいます。建材は、数ヶ月から半年くらいの時間をかけて安定的な水分状態とするのが望ましいもの。 適切な時間をかけて安定化を図ることが重要なのです。そういう視点で考えると、引越し時期として 梅雨を間近に控えた「6月」や真夏の「8月」などは、引越しに適していない季節と言えます。

夏期間の新築マンションへの引越しなら、あまり窓を開放しての換気は控えめにして適度なエアコン利用を。

多少地域差がありますが、基本的に日本の夏は「高温多湿」の環境となります。そんな夏季節に新築マンションへ引越し をするときに、ひとつ心がけておいていただきたいのが「窓を開放しての換気は控えめにして、適度なエアコン利用を心がける」 ことです。

もちろん、お部屋の掃除をするときなど、短時間窓を開けて換気をするのは望ましいことなのですが、数時間単位で 窓を開放して換気をするのは、引越ししたばかりの新築マンションに関してはあまりおすすめできないんですね。それは 住宅特性とも大きく関連するのですが、夏場に窓を開けての換気をすると同時に高湿度の空気を居室内に取り込むこと になります。基本的に完成したばかりの住宅において、各種建材は「水分を適度に放出することで安定的な水分量へと移行していく」 もの。ゆえに、適度に時間をかけて水分発散していけるような室内環境としておく必要があるのです。

近年のマンションは気密性がとても高くなっています。24時間換気設備が設置されていますが、室内に取り込まれた高湿度は なかなか自然に屋外へ放出していくことは出来ないんですね。ですから、窓を開放する換気時間を長く取ってしまうと、 高湿度が居室内へと進入することになり、それが居室内に長く滞在してしまうのです。そうなると建材からの適度な水分発散が 妨げられることに。近年の新築マンションでは、夏場は除湿目的での適度なエアコン活用が重要なのです。

  • 引越し後数ヶ月間は、過度な暖房・冷房の利用は控えましょう。
  • 新築マンションでは、夏場の除湿目的での適度なエアコン利用は必須と考えておきましょう!